50,「 一級福祉住環境コーディネーター 」勉強方法−3
50,「 一級福祉住環境コーディネーター 」勉強方法−3
福祉住環境コーディネーターの受験者は様々な職業の方達です。医療関係者、福祉介護関係者、建設業関係者、ハウスメーカー関係者等の様々なジャンルの方達が受験します。どのジャンルの職業の方が有利かと考えると、二級と三級はおそらく医療や福祉、介護関係者が日頃の知識的に有利では?と感じます。しかし一級になりますと建築設計関係者が有利になると感じます。何故なら一級は記述式試験で図面が関係してくるからです。
Tuesday, April 3, 2012
50, 「一級福祉住環境コーディネーター」勉強方法−3 2012.4.3
前回の「勉強方法−2」のつづきで今回は対策3番と対策4番について書きます。
対策3では二級テキストの「建築に関する寸法的な部分を押えておく」と書きましたが、これ
は一級の試験ではフリーハンドで図面を書く設問が出題される可能性が高い(ほとんど1問は
出題されると思います)のですが、その図面を書く際に知識として必要な数字になるからで
す。たとえば図面の中に便器の先端からリフトを合わせる位置までの適切寸法を記入しなくて
はいけない設問があったり、昨年の場合ですと書いた図面は展開図でしたが、トイレの壁に手
摺や非常ボタン、洗浄ボタン等を便器の先端を基準に位置関係を図示する設問があったりしま
す。私が二級テキストからピックアップした寸法関係部分は28箇所でしたがその部分にはや
はりインデックスに通し番号を書いて貼ってあります。もちろんこの建築にまつわる寸法関係
は二級テキストだけではなく一級テキストにおいても重要なのは当然です。一級については対
策1及び2で寸法関係も憶えるという意味で対策3では「二級テキストの」としました。ちな
みに、昨年の展開図の設問は一級のテキストの図から出題されています。図面を書くと言って
もそれほど難しい図面を書くわけではないのですが、建築設計関係者といえどもこの医療福祉
介護に関する建築的な適切な寸法を押えておかないと要求されている図面は書けません。まし
て建築設計関係者以外の方達の場合は日常で図面を書くなんて全く無いでしょうからテキスト
(一級・二級共)に載っている寸法付き図解部分はフリーハンドで真似て書けるようにしてお
く必要があると思います。又、二級テキストの最後に出ている「事例集」に出ている図面はフ
リーハンドで真似て書けるように訓練しておくのは有効だと思います。建築設計関係者以外の
方達にとっては大変な部分ですが、この部分は配点も高そう???(私の勝手な判断です)な
ので頑張ってみていただきたいと思います。
対策3
対策4
対策4は対策3の延長線上の内容ですが記述式試験では図面を書く技術や知識も試されますが
もう一つ、図面を読む(図面を正確に理解する)事も試されます。介護施設の平面図を見て正
確にその内容を理解出来るように訓練しておく事が必要です。昨年の場合は、地域交流スペー
スを持つサテライト型特別擁護老人ホームのような施設の平面図(平屋)を見てその施設の建
築空間の長所と短所を理由付きで6つ指摘する設問でした。
日常的に図面を見る機会がある方達にとっては図面を読み込む事はそれほど大変な事ではない
かもしれませんが、そうでない方達はこの図面がらみの設問が難関部分になると思います。一
級テキストにも事例の部分に介護施設の平面図や解説が載っています。又、建築の専門書にな
りますが建築資料研究社発行の「建築設計資料」という本には「14:心身障害者福祉施設」
「34:老人ホーム」「55:高齢者・障害者の住宅」「57:地域福祉施設」「66:老人
保健施設・ケアハウス」「71:特別養護老人ホーム」があり、それぞれ解説付きの事例集と
なっていますから図面対策には良い教材になるかと思います(少し値段が高いですから、たと
えば「特別養護老人ホーム」だけとかで十分かと思います。)。平面図を読む時は、自分が図
面の中に入って図面の中を歩き回っている視点をもつ事がコツかもしれません。こういった設
問ではテキストからの知識ではなく自分の今までのあらゆる経験が役に立つと思います。しか
し、それも図面を正しく理解出来てこそですからまずは図面の読解力・理解力の強化ですね。
以上、3回に分けて「一級福祉住環境コーディネーター」の私の勉強方法について書いてみま
した。あくまでも私個人の勉強方法や対策を書きましたからそれが正しいかどうかは自己判断
してください。ただ今回自分で受験して「一級」は教材も勉強方法等の情報も極端に不足して
いると感じたものですからこれから受験される方の少しでも役に立てばと思い書いてみまし
た。
福祉住環境コーディネーターという資格は資格として特別何か大きな特典があるわけではあり
ませんが、やってみて思ったのは建築家、建築設計者にとってもとても有効な知識だと感じま
した。資格取得が終わりではありませんが、一つの目標としてチャレンジしてみるのも好いの
ではないかと思います。これから受験される方の健闘を祈ります。