もしも将来、階段の上り下りが大変になたら、もしも将来、自力で立ち上がる事が容易に出来な

くなったら、もしも将来、自力で歩行が出来なくなったら・・・もしも将来、日常生活に不自由

を感じる事になったら・・・そう思って今の比較的健康で元気なうちに老後のために家を建てよ

うと考える方がいらっしゃると思います。高齢者になり体に何らかの不自由を感じる事になった

時を想定しての家ですから当然バリアフリーを意識した家となります。住宅用のエレベーターを

設けたり、階段が無い平屋にしたり、布団の生活からベッドの寝室にしたり、雪かきの手間が少

なくなるようにロードヒーティングにしたり、トイレやお風呂等段差が少なく楽で安全な洋式

に・・・となります。「備えあれば憂いなし」でこの考え自体は決して悪い事ではなのですが、

一つしっかりと認識しておいた方が良いと思う事があります。

それは、その善かれと思って用意したバリアフリーが逆に今の健康を奪う引き金に変わる可能性

もあるという事です。今まで嫌でもやっていた日常生活の動作がバリアフリーによって日常から

消えてしまったがために足腰をはじめ身体が弱まり老化を促進させてしまうこともあるという事

です。これではせっかく老後のために建てた家に逆に健康を奪われる結果となってしまい本末転

倒です。このバリアフリーの意外な落とし穴を「認識」した日常生活と設計が大切になると思います。ご参考に。


,   高齢者住宅設計で思う事 1  2013.11.6