ホテル P 増築計画
ホテル P 増築計画
2009.2.17
2, ホテルP(ポリーニヤ)増築計画
道東の清里町に1992年に竣工したホテルの増築計画です。新築当時
の設計は建築家:伊東豊雄氏です。数年前、クローズされたままのホテ
ルPの増築を計画するとしたら?と誰に依頼されたわけでもなく、私が
勝手に計画したものです。
Tuesday, February 17, 2009
新築の竣工当時、ここには温泉があるわけではなくビジネスホテル的な
作りのホテルであったと思います。そこで、もしもここに温泉があった
ならば?・・・と考え温泉施設を増築する仮想の設計をしてみました。
(現在はオーナーも代わりリノベイション後に温泉施設を伴ったオーベ
ルジュとしてオープンしているようです。)
増築棟
アプローチ
敷地の東側道路脇に大きな壁を作りその壁との間に温泉施設の増築を考えました。
アプローチは新築当時からある水盤上から増築棟の2階へ。
大浴場を2階に持ち上げ屋根はかけるけれど南側全面は開放する半露天風呂とし(吹雪や台風等
の管理上必要な場合は閉める事が出来る大開口のサッシを設け)この半露天風呂から綺麗に切り
取られた「斜里岳」の姿が望めたら・・・と考えました。その時重要な事は斜里岳を切り取る開
口のエッジの切れ味だと思います。開口の下部は温泉の湯で、上部は水平の庇でシャープに切り
取り、よけいな物は何も見せない作りにするべきと考えました。その事によって斜里岳のシル
エットが更に美しく感じられます。建築にはそういった力があるはずです。
南側の大開口から綺麗に切り取られた斜里岳が望めてこそ、この場に温泉施設を作る意味があると
考えました。岩や竹垣に囲まれた温泉ではこの場である必要はなく、その場の風景を上手に取り込
む事がここでは大切と考えました。